ドクターからのエール

不妊治療をやめたら、不妊は終わるのでしょうか。
子どもをあきらめたら、不妊から卒業できるのでしょうか。
 
子どもをあきらめたからといって、子どもを強く願ったその思いが簡単に消えるわけではありません。人生の歩みと共にその思いが少しずつカタチを変えていくとしても、再構築した人生を明るく元気に生きていたとしても、ふとした局面で「自分には子どもがいない」という事実を意識させられることもあるでしょう。

いつか迎える最期の時までそのことを抱えていくとしたら、上手に折り合いをつけつつ、それも自分の一部と認めながら過ごしていけたらいいですよね。そのためには、不妊治療を終わりにする時期、決心をする時をおざなりにせず、丁寧に向き合うことが大事です。

不妊治療を終わりにするということは、さまざまな犠牲を払ってひたすら新しい命を求めた自分(たち)から卒業するということ。卒業することには難しさが伴いますが、次に待つ人生のステージのために、時間がかかっても、ご自分たちらしい卒業式をしていただけることを願い、この企画を立てました。

 



不妊治療からの卒業は、まさに闘いが終わりリングから降りる選手に贈るような「よくがんばったね」という拍手と、どうか自分を大事に「幸せな人生を」というエールに満ちたものであって欲しい。と同時に、卒業式には、頑張ってきたことを見てくれていた人たち(ドクターやナースや心理援助者の方々)にも参加してもらいたいとも思いました。
 
治療をやめ、子どもをあきらめる決心をしなければならない人たちへ。
不妊治療をやめ、夫婦ふたりの人生を生きているものの自信が取り戻せずにいる人たちへ。
将来終結を考えなくてはならないかもしれない人たちへ。

日頃身近にいながらも、なかなか聞くことがないドクターからのエール、心の声をお届けしていきます。