あなたを忘れない。ありがとう

笑顔が素敵な友が、見事な闘いを終えて天国へと旅立った。

優しい伴侶と子どもたちと共に、異国の地で幸せに暮らしていた彼女の無念は如何ばかりだっただろう。

どんなに切望しても得られないものがある。
どんなに大事にしていても失うことがある。

欲しいものが手に入ることは当たり前じゃない。
大事なものを持ち続けられることも当たり前じゃない。

誰もがそんな中に生きている。

すべては、産んでもらった、与えてもらった命あってのこと。
そんなことはわかっていたけれど、若くして逝ってしまった身近な友の旅立ちが、
今ある”ありのままの自分”に心から感謝すること、日々を精一杯生きることの大切さをあらためておしえてくれた。

学び舎を共にした中学・高校時代、純粋な喜怒哀楽を共有し合ったあの頃を鮮明に思い出しながら、彼女が好きだったお店で彼女を偲んで献杯。きっとそこにいてくれたね。

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泣き言ひとつ言わず、見事にエピローグを生きたあなたと友でいれたこと、幸せでした。
みんな、あなたを忘れないから。
ありがとう。

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永森咲希

2016年7月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : admin

患者の方々への講演@絹谷産婦人科 in 広島(2016.5.21)

広島の医療法人 絹谷産婦人科訪問の2日目、5月21日は、患者さんに向けての「患者セミナー」にて講演させていただきました。
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KWC絹谷産婦人科(以下KWC)では、患者さん全員に、早い段階で患者セミナーへの参加をお勧めしています。その種類は2種類。ひとつは「妊活&心理教育セミナー」で、もうひとつは「治療終結セミナー」です。

診療時間内では患者さんに伝えきれないKWCの方針や診療のスタンス、また妊娠に向けての知識、患者さんに望むこと等々について、絹谷院長先生を筆頭に、各部門から患者さんに向けてガイダンスを行うというものです。

「妊娠を望む方すべてが妊娠できればいいが、そうではない現実がある」
「望んで頑張ってきたことをそんなに簡単に終わりにできるものではない」
「心が揺れて当然。そんな心の揺れや悲しみも支援したい」

そう仰るKWCの絹谷院長先生。
特に「治療終結セミナー」を大事に考え、丁寧に準備されている様子から、妊娠が無理だった場合でも、患者さんにはそこから先の人生をより良く生きてもらいたいという院長の願いが伝わってきました。

ゲストの私は、この日、「The Epilogue for New Start(新しい日々のための最終章)」という演題でお話しさせていただきました。

事前にこんなに素敵なちらしまで作成いただき、患者さんの目の届きやすい院内に設置くださっていました。

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全体を通したセミナーの内容は、

◆ 絹谷院長先生のご挨拶

最初の絹谷院長先生の2つのお話しは、治療をなさる方々にとっては大変重要なものでした。

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1.不妊治療には2つの特徴がある。
① 一般的な治療は「個人」が受けるが、不妊治療は「夫婦ふたり」で取り組むもの。
② 一般的な治療は、身体的な症状が主訴であるのに対し、不妊治療は「望み、気持ち、こころ」が主訴。

2.何事にも「始まり」があり「終わり」がある。不妊治療にも「始まり」があり「終わり」がある。その「終わり」について考えることも大変重要。
① 不妊治療の終わりを、「夫婦ふたり」という別々の人間が、正しい知識を共有しながら共に考える必要性。
② 一般的な治療は、「身体的な症状が治るか治らないか」に対し、不妊治療は、「望みが叶うか叶わないか」である。現実的に、叶わない場合も多いがゆえに、こころのケアを十分に行いながら進めていくことが大切。

◆ 医師部門からのお話し(by 楠田朋代先生)

下記の4つの事柄につき、妊娠のしくみも含んだ詳細なファクツデータをもとに丁寧に説明されました。

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1.女性の年齢上昇に伴う妊孕力の低下
2.「加齢」に伴う卵子の変化
3.年齢別にみた体外受精の成績
4.男性の加齢による影響

◆ 培養部門からのお話し(by 原田義久培養士)

なかなか得にくい正確な培養の知識や情報を、データや映像、写真等を通してわかりやすく説明されました。

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1.平均採卵個数と変性卵子の率
2.紡錘体の可視化率と形態について
3.顕微授精後の成績について
4.胚盤胞への発生率

◆ 看護部門からのお話し(by 吉原美香子看護師長)

流産、妊娠高血圧症候群、常位胎盤早期剥離、前置胎盤、妊娠糖尿病といった、年齢が上がるにつれて伴うリスク、妊娠合併症について具体的に提示されました。

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セミナー終了後、患者さんが「あんなリスクがあるんですね。知っておいてよかった」とお話しになられていたのが印象的でした。患者さんに説明するにはまさに適切なタイミングと場所だと感じた次第です。

次が私、永森咲希の講演。
「The Epilogue for New Start(新しい日々のための最終章)」。
私の話は、いつか妊娠するかもしれない可能性が誰にでもあるように、いつかあきらめざるを得ない可能性も誰にでもあることを前提に、子どもをあきらめるまでの私の体験や、終わりをどんな風に捉えたらいいか、また夫婦ふたりだけで生きる今思うこと等についてお話しさせていただきました。

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治療の初期の段階で「終わりにすること」を考えることには、抵抗感を感じられたり、中には不快に思われる方もいらっしゃると思います。希望をもって治療に臨むところ、士気をそがれるようで辛いと感じられる方もおられるでしょう。けれど、高齢で妊娠を望む方が増えている昨今、治療してもなかなか妊娠できない方が増えているのも事実です。やみくもになってしまいがちな不妊治療。どんな結果が待っていたとしても、ご自身の人生を大事に豊かに生きていただきたいという願いを込めてお話しさせていただきました。

患者さんにとっては辛い話。みなさんの耳に届くかどうか心配でしたが、終了後のアンケートを拝見すると、

● 永森さんのお話、とても勇気づけられました。私たちの終結の時も、しっかり話し合って現実に向き合えるよう、今は、「今できること」を頑張ろうとも思います。

● やめどきはその人その人であると思いますが、永森さんのお話を聞いて前向きに治療に取り組みたいと思いました。セミナーに参加すること自体、心が重かったのですが、永森さんのお話を聞けてよかったです。ありがとうございました。

● 不妊治療を経験して、子供を授からなかった方の話を初めて聞きました。みんな同じ思いで生活をしているのだと改めて知ることができ、よい機会になりました。

・・・etc. といった感想を多くいただきました。
私の思いがみなさんに真っ直ぐ届いたことがわかった瞬間。講演後の何よりの時間でした。

そして私が驚いたこと。
KWCスタッフと患者さんの間の、立場上の高い垣根がない関係性でした。
セミナーに来られる患者さんたちの名前と状態をスタッフ(ナース)が把握され、「あの後どうした?」とか「ご主人のお仕事落ち着いたの?」等と、いらした方々とフランクにお話をされ、自然に会場が和やかなムードに。またセミナー終了後も、涙している患者さんの背中にスタッフがそっと手をあてながら思いを聴いて差し上げていたりと、ファミリーライクな場面にいくつも出逢いました。私自身も、病院という感じがせず、何かのコミュニティーの場であるような錯覚に陥ったほどでした。

KWCの「患者セミナー」は、患者さんの思いを大事にされるスタッフが知恵を出し合って企画するもの。その思いに満ちたセミナーでした。

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心のケアに重きをおいたKWCでは、カウンセリングも充実しています。
通常この「治療終結セミナー」では、花谷智子さん(臨床心理士/生殖心理カウンセラー/がん生殖医療専門心理士)が、終わりにすることやその心のケアについて、あきらめたご夫婦の症例を紹介しながら(ご夫婦の了承済)丁寧にお話しなさっています。

担当カウンセラーの花谷さんは、大変気さくで話しやすい方。治療を終えた後でも、定期的に話しに来る方がいらっしゃるのも頷けます。

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KWCのみなさま、そして参加くださった患者のみなさま、ありがとうございました。

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永森咲希

2016年7月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : admin

取材記事がサイゾーウーマンに掲載(2016.7.12)

取材をお受けした記事が、本日、情報配信サイト ”cyzo woman(サイゾーウーマン)” に掲載されました。

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http://www.cyzowoman.com/2016/07/post_20778.html

「治療を終えても不妊は終わらない – 子どものいない人生を受け入れるために大切なこと-」

”不妊治療のやめどきと、子どものいない人生”というテーマの今回の取材は、前編がはらメディカルクリニックの原利夫院長先生のお話しで(2016.6.23)、私は後編を担当させていただきました。

真摯に耳を傾けてくださり、丁寧に編集くださった澤本さんと岩城さんに、心からお礼申し上げます。

永森咲希

2016年7月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : admin

医療従事者の方々への講演@絹谷産婦人科研修会 in 広島(2016年5月20日)

去る5月20日~21日、広島にある不妊治療専門クリニック「絹谷産婦人科」の絹谷正之院長先生を訪ね、2日間に亘り講演させていただきました。

1日目は、医療従事者の方々向けの講演。
2日目は、絹谷産婦人科に通われている患者さん向けの講演。

絹谷院長先生は、年に3回ほど、ドクターだけではなく、コ・メディカル(看護師、検査技師、医療事務員、胚培養士等)の方々も交えて研修会を開催されています。称して「絹谷産婦人科研修会」。絹谷産婦人科の様々な仕事に関わるスタッフだけではなく、近隣の産婦人科医やコメディカルのスタッフにも声がけをし、地域全体での知識向上を目指した勉強会とのこと。

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これまでに、「出生前診断の基礎」「不妊症患者の心 ~反復不成功例と治療終結について~」といった不妊症医療に関することから、「妊娠と甲状腺疾患」「乳がんのホルモン療法」といった女性特有の疾患のテーマ、また「アナフィラキシー時の対応」「ゲノム編集とは何か」等、開催テーマは多岐に亘っています。

1日目はその研修会でお話しさせていただくというもの。
「治療の終結を迎えようとしている患者が、どのような気持ちを抱いているのか」といった治療終結の心理をテーマに、体験者である私の話を聴いてくださるというものでした。

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半分支援者で半分当事者の私の話を、多忙を極めるみなさんにどれだけ聴いていただけるのか。
医療従事者の方々への講演が初めてだった私、まったくイメージできずにこの日を迎えることになりました。

開催時間が迫るにつれみなさん続々と入室され、開始までには会場に置かれた椅子がびっしり埋まり、私の緊張もピーク。

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参加者は下記の通り、個人病院から広島の県立病院とさまざまな施設からいらっしゃいました。

・ 絹谷産婦人科
・ 香月(かつき)産婦人科
・ 広島県立広島病院生殖医療科
・ 正岡(まさおか)病院
・ 広島県健康福祉局母子保健グループ
・ 広島県不妊相談センター

今回の私の演題は、「不妊治療の卒業式を患者と共に」。
1時間の講演中、大きく頷いてくださったり、涙を浮かべていらしたり、一生懸命メモを取ってくださっていたりと、大変共感的にお聴きいただいたのが印象的でした。

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正直、お伝えしたいことがちゃんと届くのかどうか心配でしたが、みなさんの真剣で誠実で温かい眼差しのおかげでそんな心配もなくなり、垣根も取れ、思いのままにお話しさせていただくことができました。

講演後は質問も多くいただき、感謝の気持ちと満たされた思いで胸が熱くなりました。

なぜ満たされた思いになったのか。
治療をやめて約10年経った私自身が、まさにこの場で卒業式をさせていただけたような、そんな気持ちになったから。私の伝えたい思いが、みなさんに真っ直ぐ届いたから、に他なりません。

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患者の思い、当事者の思いをなにより大事にされる絹谷院長先生と、患者を支援するために労を惜しまない参加者のみなさんとの時間は、忘れられないものになりそうです。

絹谷院長先生はじめ、関係者のみなさん、参加されたみなさん、ありがとうございました。

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(絹谷正之院長先生と、今回の研修会のアレンジを担当くださった花谷智子さん(臨床心理士・生殖心理カウンセラー)と共に)

この翌日、患者さんに向けての講演をさせていただきましたが、その様子は追ってご報告いたします。

永森咲希

2016年7月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : admin

港区の助成事業-終結を考えるイベント無事終了

去る6月18日、港区立男女平等参画センター”リーブラ”の助成事業でもあるMoLiveの企画、
「夫婦の困難 どう乗り越える? 第1回 不妊治療の終結を共に考える ~医療者の立場から・当事者の立場から~」(1部:講演 2部:お話し会) が無事終了しました。

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「不妊治療を終わりにしたいけれど、なかなかやめられない」
「ふんぎりがつかない」
「やめてどうしたらいいのか」
みなさんそれぞれが、迷いや戸惑い、不安をお持ちになりながら参加なさいました。

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参加者は、女性21名、男性9名、合計30名。
半分には満たないまでも男性の参加も多く、なかには男性おひとりでの参加もあり、ご夫婦それぞれが、治療を終わりにすることと真摯に向き合われていらっしゃる様子が伝わってきました。

1部の講演の演者は、東京慈恵会医科大学産婦人科医師の杉本公平先生と、私、永森咲希でした。

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杉本先生のご講演は、優しいお人柄が滲み出るプロフィールにはじまり、歴史的視点や人物から考える不妊のお話し、そして先生の患者さんの終結の事例と多岐に亘りながらも、どれもが「妊娠できることと人間性はなんの関係もない」という先生の一貫した主張とつながり、素晴らしいご講演でした。

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特に患者さんの事例のお話しは、単に事例を紹介くださるのではなく、杉本先生がどんな思いを持たれながら対応されたのかについてをお聞かせくださいました。不妊治療を終わりにすることも大事に考えてくださっているドクターだということが十分みなさんに伝わり、そんなドクターの存在はみなさんを安心させたようでもありました。

講演のアンケートでは、

「話を聴いて緊張していた肩の力が抜けました。気持ちが楽になりました」
「共感でき『これでいいよね』と思える勇気をもらったような気がします」
「治療終結後も明るく生きていくヒントを得られました」

といった感想をいただきました。

お話し会(当事者7名+ファシリテーター+コファシリテータで9名ほどのグループを3つ)では、みなさんそれぞれが思うところをお話しされたり、他の方のお話を聞いたりしながら、あらためてご自身のことを考える時間になさったようです。

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お話し会のアンケートでは、

「似たような状況の方々の話が聞けて、自分だけではないと気持ちが軽くなりました」
「誰かに話すことは乗り越えるために必要なプロセスだと感じました」
「ひとりだけで心が沈みがちだったけれど、参加してよかったです。初対面だからこそ話せることもあるんですね」

など、多くの方々に参加の意義を感じていただけたようです。

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当日の様子は、NHKの総合とBSで放映されました。

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妊娠を望む年齢が高齢化している現代、妊娠に辿り着けない方も多くいらっしゃいます。
なかなか治療をやめられない方もたくさんおられます。

願い叶わぬ当事者の方々が不毛地帯に長期間留まることなく、ご自身の運命を受け入れ、新たな人生を再構築するエネルギーをもって自らの第1歩を踏み出していただくことを切に願いながら本企画を立てました。

今回の参加者の方々の感想をお聞きし、本企画を継続していく意義をあらためて感じた次第です。

参加くださったみなさま、本企画にご協力くださった関係者のみなさま、ありがとうございました。

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当日お手伝いくださったスタッフのみなさんも、終日のフル活動お疲れ様でした。

そして、最後に。
本企画の意義を深くご理解くださり、背中を押し、激励してくださった港区立男女平等参画センター”リーブラ”の皆さまに、心よりお礼申し上げます。

永森咲希

 

2016年6月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : admin

子どものいない夫婦のエンドオブライフ:エンドオブライフケアのシンポジウム参加

”エンドオブライフ ケア”
まだまだ耳慣れない言葉かもしれない。
 
言葉の通り、人生の最終段階に対するケアだ。
その質の向上を目指して設立されたのが、一般社団法人エンドオブライフ・ケア協会。
 
誰もが「生きてきてよかった」と思えるように。
自分の人生に誇りを持てる最期を迎えられるように。
 
”人生の最終段階とはどういうものなのか”
エンドオブライフ・ケア協会は、その真の意味を追求し、看取りのエキスパートの養成と、人間の尊厳を大事にした援助の普及に積極的に取り組んでいる。
 

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去る23日(土)、この協会の1周年記念シンポジウムにお声をかけていただき参加した。
 
子どもを持たない夫婦にとって、自分たちだけで人生の幕を閉じることには課題も多い。

誰に何を頼むのか。
タスキを渡す次世代がいない状態で、誰にどんな風に看取られたいのか。
子どもがいないで、尊厳ある死を迎えるにはどうしたらいいのか。
 
子どもをあきらめた方々とお話しする際、よくこうした話題が出る。
”自分がどんな風に生きたかを記憶に留めてくれる人がいないのは虚しい”
”自分の命を親身に心配してくれる次世代がいないのは寂しい”
これも人の自然な感情だろう。
 
私自身看取りに関しては以前から高い関心があり、お伺いした。
 
1周年記念シンポジウムは、当協会理事の田口空一郎氏の挨拶、小澤竹俊先生の活動報告に始まり、社会福祉法人白山福祉会の施設長でもあり、”エンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座”を受講された広畑晶子さん、協会顧問で参議院議員の武見敬三氏、本協会の立ち上げから活動を追い続けてきたNHK報道局記者の池田誠一氏、特別養護老人ホームしゃくなげ荘の施設長である山本 進氏、協会理事でもあり亀田総合病院の在宅医療部を立ち上げられた日本を代表する在宅医の小野沢 滋氏、そして理事且つ医師である長尾和宏先生と、貴重な講演が続いた。
 
”看取る”という行為、人の生涯の終わりに立ち合うことは大変なこと。
病院ではなく介護施設で亡くなる人々が増加している昨今、医療者ではなく介護者が看取るケースが増え、その心の負担も大きい。そんな中、ひとりひとりの人生に思いを馳せ、最期の最期までその人らしく穏やかに生きられるよう試行錯誤されている現場の介護職の人々の様子に、胸が熱くなった。
 

後半の全体セッションでは、思わず日頃から思っている「子どもがいない、家族がいない人間が最期の時を迎えるケースにはどのような意識で取り組んでおられるのか」、そんなことをお聞きした。

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施設長である広畑さんは、「家族にはなれないけれど、すぐ隣にいる一番近くの他人として、その方の人生、その方の望みを精一杯受け留めたい」と仰った。そして小澤竹俊先生は、「子どもがいるいないにかかわらず、援助者として、その方が何を誇りに生きてきたのかを知ろうとすること、その方が生きてきた人生を大事に思うこと、尊厳をもって理解すること、そうした努力を進めていく」と仰ってくださった。長尾和宏先生は、「家族という病」が話題になるほど家族の絆も希薄になっている昨今、「理解しようと努めてくれる援助者と共に、ひとり穏やかに死と向き合うのも悪くない」というお話をしてくださった。
 

思いがけず何人もの演者の方々から温かく貴重なご意見を伺うことができたこと、なにより有難かった。

「私が最期を迎える時には、エンドオブライフ・ケアの養成講座を受けたスペシャリスト達に囲まれているかもしれない」そんな風に心強く思えたのも、お話を直接伺えたからこそ。
 

比叡山延暦寺 副執行の小鴨覚俊住職のお話で締め括られた本シンポジウムは、意義深いものだった。

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 永森咲希
 
2016年4月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : admin

合格いただきました

産業カウンセラーに続き、国家資格化されたキャリア・コンサルタントの試験、この度なんとか合格をいただいた。昨年の秋以来、脳細胞に鞭を打ち続けた甲斐があったかな。

合格♪

生殖の問題とキャリア形成は、切っても切れない密接な関係にある。

キャリアの中で妊娠・出産をどう考えるか、仕事と不妊治療の両立はどんな風にしたらうまくいくのか、周囲との関係はどう維持したらいいのか・・・etc.

年齢、治療段階、治療歴、職務、職場環境、夫婦・家族関係、考え方、生き方等々、ひとりとして同じ人はいないわけで、生き方の雛形はない。唯一無二の存在であるその人が、自分に適したより良い選択をしていけるよう伴走していけたらと思う。

産業カウンセラーの学びも、キャリア・コンサルタントの学びも、私にとっては大変有意義なものとなった。この経験を社会に還元していくために、一層研鑽を重ねていきたい。

永森咲希

 

 

2016年4月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : admin

大盛況!第13回 日本生殖心理学会・学術集会

去る2月21日、虎の門ヒルズフォーラムのホールにて第13回 日本生殖心理学会・学術集会が開催され、出席してきた。
 
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大きなホールの会場に次々と椅子が追加され、後ろまで出席者でいっぱい(500名弱くらいだろうか?)。毎年参加させていただいている本学会、今年は東京での開催もあってか、一段と参加者が増えている気がした。
 
参加人数が増えているということは、当事者の「心」について考えてくださる方々が増えているということでもある。
 
生殖問題を抱える当事者の、忘れられがちな、おきざりにされがちな「心」の支援について、医療現場におられる医師、看護師の方々を中心に、多職種の方々と共に考える機会は極めて貴重。あらためてその有難さを感じると共に、本学会の存在意義を痛感した。
 
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森本義晴理事長も、生殖医療の精神的因子の重要性を語られており、「これからの生殖医療においては、身体よりむしろ「心」の重要性が大きいのに、この辺りの研究が十分であるとは言えません。本学会はこの観点から、生殖への「心」の問題の影響を社会に提言し、より分かりやすい社会のニーズに合わせた活動を展開して参ります」とされている。
 
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今回の学術集会の会長は、東京にある「はらメディカルクリニック」の原 利夫 院長先生で、テーマは「傾聴を科学する」。
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聴くことの重要性、医療を提供する立場や心理職の立場からの傾聴の意味等々、傾聴を中心としたそのプログラム内容は多岐に亘った。
 
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「アダルト・チルドレン」や「母が重くてたまらない―墓守娘の嘆き」等、数多くの書籍を出版されている信田さよ子先生をトップバッターに、精神科医の香山リカ先生、ぶっちゃけ寺の立ち上げから関わられている浄土宗光琳寺の井上広法副住職といった方々も、演者として思いを語ってくださった。

 

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そしてなにより、今年の大きな特徴は、がんを患う患者の生殖に関わる問題について(サイコオンコロジー)、今まで以上により大きく取り扱われていたこと。

若い小児がん、妙齢の女性のがん、結婚前の青年のがん。

「命が助かれば。命”さえ”助かれば」
確かにそう。
親御さんも、目の前にいる子どもの命が最優先なのはきまっている。
もちろん命あっての未来。それが一番大事。
でもその場に、命の先にある患者の未来を見越す力強さと寄り添いがあったらと思う。
 
助かった命のその先には、その人の人生があり、その人生を生きていかなくてはならないことを忘れてはならないと思う。がんが治ったからといって、それだけでいいわけではない。
がんサバイバーだって、その後の人生を豊かに生きる権利がある。

 

不妊当事者もそう。あきらめたら終わりではない。
あきらめたその先に、その人の人生があり、その人生を生きていかなくてはならない。
そして、その人生を豊かに生きる権利がある。
 
本学会における、がん・生殖についての発表は、医療現場で直接患者と接する人たちからのものが多い。過酷な状況の中にいる患者から未来を奪わず、いかに希望をもって生きられるか、その道を開拓しようと精進されている人の話に胸を打たれ、期待が高まる。
 
得に、諏訪中央病院精神腫瘍科 部長の大中 俊宏先生からお聴かせいただいた「病とともに生きる患者に寄り添う ~サイコオンコロジストの視点 ~」のお話は、がんを患った患者さんに、最期の時を迎えるまで寄り添われたご経験をもとにしたもので、大中先生の患者に対する姿勢と、先生ご自身の人生と向き合われる思いに、尊敬の念を禁じ得ない心境になった。
 
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生殖心理カウンセラー及び生殖医療相談士の養成も行っているこの日本生殖心理学会。
今まで以上に、当事者の心に寄り添った支援の輪が広がることを予感した1日だった。

 

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貴重なお話を伺わせていただけましたこと、関係者の皆さまに心より感謝いたします。
ありがとうございました。
最後に。
学会会場外のホワイエコーナーに、MoLiveのブースを設置。「三色のキャラメル – 不妊と向き合ったからこそわかったこと – 」を展示販売させていただきましたことも、併せてお礼申し上げます。
ブースにお越しくださった方々、ありがとうございました。
 
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永森咲希
 
2016年2月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : admin

子どものいない老後 – その4(「TEAM S」の発足)-」

先週、伯父はたくさんの方々の手を借りてなんとか無事に退院した。
team7自動上下昇降機能が付いた大き目の介護タクシーに車椅子ごと乗り込む際、「遊園地みたいだ」と笑った伯父を、温かい笑顔で見送ってくださった病棟の看護師UさんとソーシャルワーカーSさんには心から感謝した。
 
たくさんの役割に追われながら、患者ひとりひとりと向き合う看護師の方々の働きぶりには本当に頭が下がる。夜間は多くの患者を数名で担当しなければならず、しかも、シリアスな責任が発生するその過酷な業務の前提が”笑顔”。人間力がなければ担えない職務だとあらためて感じた。
 
また、今回の伯父の入退院で細部にわたり尽力くださったのが、院内で勤務されているベテランソーシャルワーカーのSさんだ。身内として関わる者が私しかいない状況を十分理解の上、私の思いやスケジュールに寄り添いながら柔軟に進めてくださった。伯父がかかるすべての科のドクターとの連携、地域支援のケアマネや訪問看護の方々との情報共有、そして何より、在宅診療のドクターへの橋渡し。
 
”ソーシャルワーカー”
よく耳にしていた身近な言葉。けれど、実際自分が支援を受ける立場になって初めて、その役割の重要性がわかり、その必要性が身に染みた。
 
自宅に帰宅した直後から、
 ・ケアマネージャーのKさん
・ヘルパー統括のYさん
・訪問看護師のNさんとKさん
・睦町クリニックの院長、朝比奈先生とクラークのAさん
 総勢6名の方々が来てくださった。
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朝比奈先生は、初めて会う認知症の伯父と、実に如才ない会話を進めながら、検査含め診察を進めていく。体の状態、薬のこと、そのデータと会話のやりとりはすべてクラークのAさんがパソコンで打ちこみプリントアウト。それをファイルにし、どんな支援者がきてもわかるようにしていく、まさにTEAM体制だ。
 
「こんなにたくさんの方々に来ていただいて。申し訳ないですねー」という伯父に、朝比奈先生は、「Sさん、みんなSさんのために来ています。Sさんに少しでもお元気でいていただけるように、みんなが動きます。『TEAM S』ですからね!」と大きな声で、伯父の耳元で激励してくださった。
 
同じことを何度も聞く伯父に、少し抑揚を変えながらも、丁寧にその都度同じ返答をしてくださった朝比奈先生。

商社マンだった伯父。海外駐在含め、何か国をも飛び回っていた当時の姿からは想像もつかないような”今”に、なんともいえない寂寥感を感じていた私は、”TEAM S”の響きに救われた気がした。そして、次の訪問先へと足早に車に乗り込まれた先生の後姿に、心の中で敬礼した。

 
「あーした方がいいよね」「こうした方がいいんじゃない?」と家から出てまでも考えてくださっていた、地域支援者のみなさん。いくら職業とはいえ、その真剣で親身な姿勢に、どれだけ励まされたことだろう。
こうした高い志を持つ方々がいてくださっての社会なのだと、痛感した。
 
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みなさん、本当にありがとう。
永森 咲希
 
2016年2月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : admin

子どものいない老後 – その3(在宅医療)-

伯父が退院する先週、横浜市で在宅診療をしている「睦町クリニック」の院長、朝比奈 完 先生にお目にかかった。
今後伯父が、訪問診療をしていただくことになったドクターだ。
退院前に会いたいという連絡をいただき、伺った。
 
フランクで実直な心象の朝比奈先生は、初めての私が話しやすい空気をつくってくださった。
 
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院内のソーシャルワーカーのSさんから細かい情報は伝わっているものの、本人を取り巻く環境、身近にいる人間の存在、また本人がどんな風に生きてきたか等について、私にあらためて聞いてくださった。
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なんといったらいいのだろう。
私がお話しすることに真摯にじっくり耳を傾け、共有してくださろうという先生の姿勢のようなものが十分に感じられて、私の緊張はすぐに安心に変わった。

先生は続いて、在宅医療というものがどういうものかについても、わかりやすく説明くださった。
 
老いて弱るのは人として自然な姿。老いて弱っても意思はある。
本人の意思を大事にしながら、その疎通が難しくなった際には、一番身近な身内と共にその意思をできる限り確認し、気持ちを汲み取りながら行われる医療。高齢であれば、最期に向けての医療をどうしていくかという医療でもある。
 
朝比奈先生は、24時間緊急の電話を受け付ける。
夜中の2時でも3時でも・・・。
長くこういう暮らしだとおっしゃる朝比奈先生に驚いて、つい「先生の寿命が・・・」と口から出てしまった。先生は笑いながら、「いやいや、逆に寿命を延ばしてもらってますよ」とおっしゃった。
なんというドクターだろう。
 
つい吐露してしまった私自身の感情も、頷きながらふんわりと受け留めてくださった。
雲がかかったようなそんな感情は、お陰さまで、朝比奈先生の診察室に置いてきたままだ。
 
 
今はケアする側として動いているが、いつか必ずされる側になる。
子どもがいない夫婦はどうしていったらいいのか、考えさせられることが多い。
 
在宅か施設か最期を迎える場所を決めること、在宅医療を受けるにしても、施設で過ごすにしても、本人に代わって窓口になるキーパーソンが必要になる。手術を受ける時の同意や、延命措置をどうするかの判断などもそうだ。生活全般の取り決め、医療の決定、まだまだ細かいことが山ほどある。
 
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考えたくもないことだし、できるなら目を背けたい。
でもきっと、「まだまだ先のこと・・・」と思っているうちに、そんな時を迎えてしまうのだろう。
私の伯母と伯父のように。
 
子どものいない夫婦に限ったことではなく、独身の男女もしかり。
備えあれば・・・というが、どんな備えをしたらいいのか。
ある程度の年齢になったら、そんなことを考えるだけでも、幕の閉じ方が違ってくるかもしれない。
 
「これからはチームで動きますからね」
頼りがいのある朝比奈先生の言葉が耳に残った。

まさにその午後、それを目の当たりにすることになった。

☆睦町クリニック:http://mutsumicho.clinic.or.jp/
☆ドクターズファイル(朝比奈 完 院長先生):http://doctorsfile.jp/h/20569/df/1/?page=1
 

続く。

永森咲希

 

2016年2月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : admin